第3回セッションダイジェスト(2)

3 プレゼンテーション (2)
「チャリンコベースで快適自転車都市〜自転車は「田の字地区」のみの為ならず〜」
谷口 忠大(立命館大学情報理工学部助教

・ 自己紹介
 京都市右京区生まれ。子供のころは自転車通学。
現在,原付をやめて6万円の自転車を利用している。自転車のヘビーユーザーではなく,普通ユーザーの立場で提案をしたい。
 専門分野は複雑系(ロボットの学習など),創発性を研究。都市は創発システムである。
・社会システムを見るときの前提「人間は賢い」
 違法駐輪をする人間はよくも悪くも「賢い」。賢いから違法駐輪をする方法が一番合理的でよいと判断する。ルールを守る人が一番得するシステムを作る必要がある。
 自律性を活かした制御,民間活力を活かしたコントロールが必要である。
・京都が抱える課題
  門川市長の8K
  地域経済の活性化
・8Kは分かち難くつながっている。分かち難いメリットを持っている。
・なぜ自転車に乗るのか?

 小回りが効き早い。公共交通では待たされるが待たされないし,渋滞にも巻き込まれない。寄り道もしやすい。
・自宅から京都大学 自動車は時間的リスクが大きい。自転車は確実に30分程度で行ける。自転車走行環境が整備されればもっと早く行ける。
・自転車が速い街
 コンパクトシティである。土地の利用効率がよい。西大路から東大路にかけて平坦である。自転車が有利な街の形をしている。
自転車ツーキニスト
 立命館大学草津キャンパスまで片道27キロ,2時間。毎日行くのは非現実的。自動車は一般道路,高速道路があるが,自転車は走れないところがあったりする。
・自転車通勤を妨げる諸問題
 駐輪場の問題,道が整備されていない,渡れない道がある,自転車専用道で赤く色がつけてあるだけで意味がない,など
・車道を割譲して自転車専用道を作るべき。
・自転車のメリット

 快適な自転車生活としてドアtoドアである必要がある。立ち寄りができる。
・観光客が街中で買い物をするような仕組み。
・脱クルマのポスター

 自転車の利用が書いていない。歩くということの危険は,化石燃料交通機関とセットにならざるを得ない。
・立寄駐輪と一日駐輪と放置自転車を区別する仕組みが必要。
 時間で区別する,時間を管理するシステムがあるとよい。各店舗がそれを置くことで儲かるシステムが必要である。
・8千円程度の自転車が出回ることで悪循環が生じる。
・正直者が損をしない仕組み,違法駐輪は罰せられる。
・駐輪監視員制度,保管期限の短縮なども必要。
・自転車は分かち難いメリットを持っている。
・自動車から自転車というのは後退ではなく前進である。
・景観について
 京都を自転車の似合う街へ → 京都に似合うかっこいい自転車に乗ろう。

4 コアメンバーからの意見・提案[その2]

○カナダのトロントでは自転車専用道があり,一方通行で,片側には路上駐車ができて自転車が走らない。反対側に自動車と自転車が走るようになっていて,住み分けができている。
○ルールをしっかりと共有していれば,自動車と自転車の共存は可能である。自転車のマナーを自転車利用者のみが知っているのではなく,歩行者や自動車に乗る人も自転車のことを考える必要がある。ユーザーの捉え方をもっと幅広くすることで必要な対策が出てくるのでは。
○歩くまち京都の中でも自転車をどう捉えるかはあいまいになっている。
○ガソリンの値上げで自転車の売上が伸びているという話を聞いた。複雑系から自転車に与える影響もある。
○人間は賢い選択をすると思う。撤去などで自転車が公共の場に止められなくなったときに,自転車を使うか公共交通機関を使うかで賢い選択をするときに,自転車を使うほうが,デメリットよりもメリットがあるということで,自転車を使ってもらえるようになればよいと思う。