第4回セッションは、9月25日(木)です

第4回セッションを、以下の通り開催します。場所はいつもの「ゼスト御池 河原町広場」です。どうぞお越し下さいませ!

平成20年9月25日(木)午後2時半〜4時半

  塩瀬 隆之さん 「みんなで楽しく自転車利用をインクルーシブデザイン」
  山田 章博さん 「新しい自転車の使い方を創造する仕組み」

第3回セッションのダイジェスト(3)

≪山田氏報告・提案≫
現地踏査について

○このセッションで議論していくに当たって,共通の現場を見ておくことは重要。
○ユーザーは悪いことをしているという訳ではなくて,自分では合理的な行動をしていて,理由がある。ただ,秩序が発生しなくなっている。
○どんな欲望で行動をしているのか,現場を見て共感してみよう。単に走り方が悪いとか決め付けるのではなくて,どうしてこんな行動をするのかを考える調査をしようというものである。
○行動する人がどういう気持,動機でそうするのか,その人になりかわってしゃべってみたり,録音したりという調査をしてみたい。
○10月4日御池フェスタがあるので,その前に行いたい。
○店のウインドには止めないが,壁には止める。しかし,止めない壁もある。柊屋の壁には一台も止まっていない。怖い壁となっている。
○ルールの強制ではなくて,創発的にルールが生まれるようなものにしたい。

第3回セッションダイジェスト(2)

3 プレゼンテーション (2)
「チャリンコベースで快適自転車都市〜自転車は「田の字地区」のみの為ならず〜」
谷口 忠大(立命館大学情報理工学部助教

・ 自己紹介
 京都市右京区生まれ。子供のころは自転車通学。
現在,原付をやめて6万円の自転車を利用している。自転車のヘビーユーザーではなく,普通ユーザーの立場で提案をしたい。
 専門分野は複雑系(ロボットの学習など),創発性を研究。都市は創発システムである。
・社会システムを見るときの前提「人間は賢い」
 違法駐輪をする人間はよくも悪くも「賢い」。賢いから違法駐輪をする方法が一番合理的でよいと判断する。ルールを守る人が一番得するシステムを作る必要がある。
 自律性を活かした制御,民間活力を活かしたコントロールが必要である。
・京都が抱える課題
  門川市長の8K
  地域経済の活性化
・8Kは分かち難くつながっている。分かち難いメリットを持っている。
・なぜ自転車に乗るのか?

 小回りが効き早い。公共交通では待たされるが待たされないし,渋滞にも巻き込まれない。寄り道もしやすい。
・自宅から京都大学 自動車は時間的リスクが大きい。自転車は確実に30分程度で行ける。自転車走行環境が整備されればもっと早く行ける。
・自転車が速い街
 コンパクトシティである。土地の利用効率がよい。西大路から東大路にかけて平坦である。自転車が有利な街の形をしている。
自転車ツーキニスト
 立命館大学草津キャンパスまで片道27キロ,2時間。毎日行くのは非現実的。自動車は一般道路,高速道路があるが,自転車は走れないところがあったりする。
・自転車通勤を妨げる諸問題
 駐輪場の問題,道が整備されていない,渡れない道がある,自転車専用道で赤く色がつけてあるだけで意味がない,など
・車道を割譲して自転車専用道を作るべき。
・自転車のメリット

 快適な自転車生活としてドアtoドアである必要がある。立ち寄りができる。
・観光客が街中で買い物をするような仕組み。
・脱クルマのポスター

 自転車の利用が書いていない。歩くということの危険は,化石燃料交通機関とセットにならざるを得ない。
・立寄駐輪と一日駐輪と放置自転車を区別する仕組みが必要。
 時間で区別する,時間を管理するシステムがあるとよい。各店舗がそれを置くことで儲かるシステムが必要である。
・8千円程度の自転車が出回ることで悪循環が生じる。
・正直者が損をしない仕組み,違法駐輪は罰せられる。
・駐輪監視員制度,保管期限の短縮なども必要。
・自転車は分かち難いメリットを持っている。
・自動車から自転車というのは後退ではなく前進である。
・景観について
 京都を自転車の似合う街へ → 京都に似合うかっこいい自転車に乗ろう。

4 コアメンバーからの意見・提案[その2]

○カナダのトロントでは自転車専用道があり,一方通行で,片側には路上駐車ができて自転車が走らない。反対側に自動車と自転車が走るようになっていて,住み分けができている。
○ルールをしっかりと共有していれば,自動車と自転車の共存は可能である。自転車のマナーを自転車利用者のみが知っているのではなく,歩行者や自動車に乗る人も自転車のことを考える必要がある。ユーザーの捉え方をもっと幅広くすることで必要な対策が出てくるのでは。
○歩くまち京都の中でも自転車をどう捉えるかはあいまいになっている。
○ガソリンの値上げで自転車の売上が伸びているという話を聞いた。複雑系から自転車に与える影響もある。
○人間は賢い選択をすると思う。撤去などで自転車が公共の場に止められなくなったときに,自転車を使うか公共交通機関を使うかで賢い選択をするときに,自転車を使うほうが,デメリットよりもメリットがあるということで,自転車を使ってもらえるようになればよいと思う。

第3回セッションダイジェスト

1 プレゼンテーション ?
「会社経営者&自転車イベント主催者から見た京都の自転車環境改善」
近藤 淳也(株式会社はてな代表取締役
        
・ プレゼンテーションの内容
1 自転車道を走行帯として作るときの構造について
2 自転車の通勤利用の促進について
3 自転車のスポーツでの利用促進について

・ 自己紹介
      株式会社はてな代表取締役 三重県出身 94年に京都大学入学
  京都で有限会社はてな設立 その後東京,アメリカで会社設立
  インターネットのサービス 年間1千万人が登録
  従業員40名そのうち京都の事務所には25名
  大学ではサイクリング部・自転車競技
  ツール・ド・信州の創立&主催者
  自転車レースのカメラマン経験
  日本・世界のあちこちを自転車で走る。アメリカを西から東へ横断も。
  自転車競技インカレで5位 ツール・ド・北海道,国体にも出場

・ ツール・ド・信州
ツール・ド・フランスのようなことが日本でやりたい。
日本国内のどのレースよりも厳しく険しいコースになっている。

・ 今日の前提として5万円以上の自転車に乗る人の視点から提案したい。
 ある程度高級な自転車に乗る人の視点からの提案。
・ 自転車道の構造についての提案
自転車道を作るなら歩道と同じ高さ,向きを一方通行にしてほしい。
・2001年に国土交通省パブコメを募集した時に応募した提案内容
自転車道を設置する場合は車道と同じ高さにする。
  自転車専用道ができない場合は車道の一部として整備する。
 30キロ走行を想定した設計にする。
 交差点のごとの段差をなくす。
 自転車道は道路の両側に設置し,車と同じく一方通行にする。

・自転車利用の促進を考えたときに,通勤,通学で日常的に利用するために,やはり自転車に乗るほうがよいと思うような環境が必要。歩行者にも迷惑を掛けずに走れる道路構造が必要。
スポーツとして乗っているときは車道を走るが,危険で不便なことも多い。安全上からも自転車道の整備が必要である。
・自転車の通勤利用の促進について
駐輪場の整備,オフィスビルに駐輪場設置を促す仕組み,オフィスビルに自
転車を持ち込めるようなガイドラインがあればいい。

・会社では・・・
 自転車通勤を勧めている。自転車通勤での通勤手当を月2万円支給。駐輪場の手配もしている。通勤の時間も早く,効率的,健康にもよく,社員同士の夕食会も増えて,コミュニケーションも図れる。
・課題
自社の駐輪場確保が困難。オフィスには持ち込めない。ビルの駐輪スペースも少ない。近くの駐輪場を分散して駐輪している。寺町駐輪場からオフィスまでは500メートルくらいあり,ドアtoドアのメリットが生かせない。いざ自転車を使おうとしても大変である。
      他社のオフィスに自転車で行っても,駐輪場がないと言われることもある。駐輪場の整備は大事である。オフィスビルには一定の割合で駐輪場を設けるなどの決まりなどがあればよい。オフィスビルへも荷物の台車ならエレベーターに乗っているのに,自転車は持ち込めない。自転車も乗れるようにルールを作り,共存できるようにガイドラインがあるとよい。

・スポーツとしての自転車利用の促進
京都市内で大規模な自転車レースイベントをしてはどうか。
 マナーについてトップクラスの選手などの影響が大きいのではないか。プロ野球選手やツール・ド・フランスで活躍する選手の影響力は大きい。アメリカで自転車の選手が活躍するだけで,自転車の通行について法律ができてしまうくらいにトップ選手の影響は大きい。
 京都は駅伝が盛んである。ランニングのマナーもトップ選手が活躍することで全体のモラルが向上する。

・トップアスリートの役割
 自転車復権のシンボルになる。自転車のスポーツ利用を促進することで,全体的な自転車利用のモラルの向上につながる。
・大規模な自転車レースイベントを開催するとおもしろい。
      みんなに見てもらうことで憧れの対象となる。イベントは継続して行うことで文化となり,トップ選手が出てくると,自転車の全体的な底上げとなる。

     
2 コアメンバーからの意見・提案[その1]
○自転車は車という認識。歩行者と同じところを通行してはいけない。
○自動車も人が乗り降りする。歩道と車道の間に自転車道ができたとしても,人が横断することになる。歩行者は優先されるべきであるが,そこでどんな工夫ができるかが大きな課題である。これが解決されたらすぐにでもできる。
○大学のサイクリング部では新入部員に走り方講習をする。バスが追い抜いたら待つということを教えているが,バス,タクシーのマナーもよくない。
○停車している車が無造作にドアを開ける。特に助手席とか後ろ座席のドアはいつ開くかわからない。車のマナーも問題である。お互いの安全をどう確保するのか,マナーを文化として作っていかないといけない。
○自転車の走行スピードを時速30キロに想定すると自転車道の整備は必要となる。
○日本人の90%は1万円弱で時速15〜17キロくらいの自転車に乗っている。遅い自転車が車道を走るのは危険である。自転車のスピードの設定で車道を走るのか歩道を走るのか考えることになるが,幹線道路であれ,街中であれ,左側を走る車両のひとつとして考えればよい。
○自転車利用をこれから促進していきたい。促進する余地として通勤,通学での利用がある。3キロ,5キロと離れた学校などへ自転車利用をするとなると,平均時速は上ってくる。
○4月から自転車政策課として走行環境整備にも取り組むこととなった。現在は,御池通五条通など広い道路で歩道上に自転車レーンがあるが,見にくく,衝突なども起きている。しかし,自転車の走行を車道にもっていくと自転車利用者にとって危険でもある。自転車のスピード想定が30キロとか17キロなど出ているが,快適に走れる環境について皆さんのご意見を聞かせていただきたい。
○2名の従業員の自転車通勤には会社で駐輪場を確保していた。ただ錦市場は自転車が通れないので,積極的に自転車通勤を推奨していたわけではない。
○20キロ,30キロで走るという想定で,自転車を軽車両とみなして自転車道を整備していくと,自転車そのものが,庶民から遠いものになっていくのではないか,という一面もあるのではないか。
○エレベータの使用について台車と自転車が同じというイメージはない。自転車は雨が降ったりすると泥が着いたりして,あまり広くないエレベータだと壁が汚れたりでメンテナンスが大変である。
○自転車のスピードが30キロという想定やレースについては,男性的でおもしろいと思うが,女性からすると,シェイプアップにはなるがあまり何キロも走ると足がムキムキになるとか,スカートでは乗れないとか,気軽に乗るということから離れる。
○自転車は車道を走るということについては,子供を自転車に乗せていたり,荷物が多かったりすると,やはり心理的に歩道を走りたくなる。
○オフィスの駐輪場については,屋上に駐輪場ができればよいと思うが,エレベータの問題をクリアする必要がある。

自転車特集花盛り

 現在発売中の「キョースマ」および「京都CF」も、自転車特集が組まれています。

 キョースマでは、セッションコアメンバーの多賀さんが大きな紙面で登場されています。
 京都CFでは、「自転車・京都街角セッション」について掲載されています!!

 ぜひ、手にとってご覧下さい。(^^)

リーフ10月号「自転車で出かけよう」

 現在発売中のLeaf(10月号)。今号は「自転車で、でかけよう」と自転車特集です。中程には、セッションのコアメンバー谷本新さんも登場、セッションについても紹介いただいています。

お店やスポットを「点」で紹介するのではなく、自転車を利用した「線」で紹介されているのが嬉しいですね〜。
ただ、現場で自転車を止めるのに困ってしまう場所がないかどうか、ちょっと心配ですが(笑)

第3回セッションを開催しました

 本日、第3回目となるセッションを開催しました。
 今回のセッションのプレゼンターは、
近藤 淳也  「会社経営者&自転車イベント主催者から見た京都の自転車環境改善」
谷口 忠大  「チャリンコベースで快適自転車都市」

です。
 近藤さんからは、烏丸御池界隈の駐輪の実態などの指摘とともに、京都から自転車文化を発信していくための具体的な提案がされ、谷口さんからは京都市内において自転車を利用する合理性の提示と、自転車利用を促進した快適都市に向けての提案がされました。